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フローニンゲン美術館で『知られざるロシア』展

リニューアル・オープニングの印象的な展覧会
 
 フローニンゲン美術館は、創立からの15年間、期待をずっと上回る訪問客を迎えてきたことを考え、ミュージアム島の上にあるそのポストモダンの建物を改装することを決めました。
 そのため4月12日から閉館されていたのですが、その間も芸術愛好家のために、堂々としたプラエディニウスシンゲルにある以前の美術館で『百年の収集 1894-1994』という大変魅力のある概観展を開催していました。
 
 
 
 閉館中の美術館では、パブリックスペースが最大限に利用され、その全体がゆっくりとですが確実に元の輝きを取り戻しています。通り過ぎる人は、まだ窓にペンキ缶が必要なことに気づきますが、もうそんなに長くはかからないでしょう。12月19日日曜には再オープンされ、人々はフローニンゲン美術館に施された改修を自分の目で見ることが出来ます。知らされていた8ヶ月の閉館は予定通り。延長されることはありませんでした!
 
 
 
 
19世紀と20世紀初期のオリエンタリズム
 
 フローニンゲン美術館は、ロシアからの大芸術展で有名になりました。『ロシアの神秘 - イリヤ・レーピン』、『ロシアの御伽噺、民話と伝説』、『ディアギレフのために』...
 そして今度はリニューアルオープンのための『知られざるロシア - 東洋的絵画 1850-1920』展で、再び素晴らしい芸術がもたらされます。19世紀から20世紀初期に制作された、ロシア、ウズベキスタン、アルメニアからの100点以上の作品が展示されます。それら全体は、この時期のオリエンタリズムの様々な印象を与えるものです。
 
 特にウズベキスタンは、19世紀にはロシアの画家たちのインスピレーションの源でした。彼らは、その国の歴史や文化、風景によってインスピレーションを得ました。このことから、多くの画家たちがそこに住み始めました。
 戦場をテーマとした作品で有名なヴァシリー・ヴェレシチャーギン(1842-1904)も、その一人でした。美術学校で学んだ後、22歳のヴァシリーはパリへ行きます。しかし彼自身は、実際それまでに訓練も受けた、より厳しい軍隊生活を選びました。彼は陸軍の軍事行動に同行することが出来ました。戦うためではなく、描くために、でした。戦争の怖さのすべてを絵の具で表現することで平和をもたらすことが出来るだろう、という考えに動かされてでした。
 ロシア国外で長い間暮らし、アメリカの部隊に同行することにも全く問題がなかったヴェレシチャーギンは、故郷から遠く離れ水葬されることになります。日露戦争(1904-1905)中に、司令長官ステパン・マカロフの指揮下の旗艦「ペトロパヴロフスク」に乗船し、ある運命に遭遇します。その船は1904年4月13日、旅順近くで日本海軍によって敷設された機雷に触雷、沈没。乗員のほとんどが戦死し、彼もその中の一人でした。その1年後、ロシア軍は日本の司令官東郷平八郎の考え抜かれた戦法により驚かされます。日本海海戦で、勇名を轟かせていた海の英雄バルチック艦隊の三分の二が破壊され、これにより戦争の行方が決められました。
 
 ヴァシリー・ヴェレシチャーギンの作品は、頻繁に展示されることはありません。多くの人が彼の絵を、あまりにもリアルすぎると考えているからです。
 しかし、ウズベキスタンを住み働く国として選んだロシアの画家たちの作品について、そのように言えるわけではありません。今度フローニンゲン美術館で展示される作品の多くは、カラカルパクスタン共和国の首都ヌクスからやって来ています。そこには、ウズベキスタンの砂漠の中に深く隠された現代絵画の美術館、ヌクス美術館があります。

 この展覧会のテーマは又、アルメニア絵画芸術の豊かな伝統と、そのロシアとの結びつきです。その中心には、モスクワで学んだマルティロス・サリアン(1880-1972)の作品があります。
 この傑出した芸術家は、ポール・ゴーギャンやアンリ・マティスの影響を受け、アルメニア文化独特の肖像画を数多く描いています。彼の絵画は、明るい色を基調とした新しい表現を見出しています。1972年5月5日にエレバンで死亡後、彼の住居は美術館として整えられました。
 フローニンゲン美術館で展示される彼の作品は、エレバンのアルメニア国立美術館とモスクワの国立トレチャコフ美術館からのものです。
 
ヴァシリー・ポレノフ作『ガラリア湖の辺』1888年 油彩 79.7 x 159 cm
国立トレチャコフ美術館 モスクワ
 
 他のテーマも、触れておく価値のあるものです。象徴的表現、東方の聖書、地元の東方の画家たち、二つの革命の間の東洋的なモチーフ。
 展覧会は又、ロシアの統治と東方の征服を、当時の文化的社会的政治的コンテクストの中でどのように見られるべきか、にも関心を払っています。18世紀のロシアにおけるオリエンタリズム到来のテーマの中で、過去と未来の建設の対立がその中心になっています。東方の聖書は、風景画家ヴァシリー・ポレノフ(1844-1927)の作品によって代表されています。彼はパレスチナへ旅行し、最初に「戸外」を描いたロシアの画家のグループに属するとみなされています。
 展示されている地元東方の画家たちの作品は、コーカサスや中央アジアからのものです。
 展覧会にはエヴゲニー・ランセル制作の長さ7mの絵画『ロシアの民衆』も展示されています。それは本当にとても大きな作品です!
 
『知られざるロシア』展は、2010年12月19日から
フローニンゲン美術館で開催されます。

 
 この展覧会の開催は、de Stichting Fonds Kunst en Economie(協会・文化と経済)、VNO-NCW Noord(北部経営者団体)とフローニンゲン美術館のイニシアティブで可能となったものです。
 又このプロジェクトは、het Samenwerkingsverband Noord-Nederland (アライアンス・北部オランダ) と EZ/Kompas (EZコンパス) によっても資金援助されています。
 
<左マルティロス・サリアン作『少女の頭』
     テンペラ 70.5 x 53.5 cm
     国立トレチャコフ美術館 モスクワ

 
写真はフローニンゲン美術館より提供していただきました。
 
        >>フローニンゲン美術館(英語)
 
 
>>フローニンゲン美術館改修のビデオ(You Tube)
 
 
 



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