彼の性格は、生まれたその土地と符合しています。フローニンゲンの土地には、予期しなかった、あり得ないとさえ思っていたことで度々驚かされるのですが、フルナハー（フローニンゲンの地の人）を近くで知るようになると、それと同じようなことを経験させられます。自分の考えを信じることは当たり前で、話さなければならない時には、感じたままを話します。ずばり、率直に。しかし、彼の性格すべてをフルナハーに帰することは出来ません。その反対。どうして彼のことを、保守的、控えめ、無愛想、倹約家...と言えましょう。

　アーレクス・フィセリングと知り合うこと、そしてこの美しいプロヴィンスを発見することは、目と時間のある人にとって、豊かに変化し極めて魅惑的です。
　彼自身のサイトは、彼が携わるたくさんのことを列挙した伝記で始まります。作詞家、作曲家、歌手、趣味の写真家、優れた自然愛好家、そして日々の生活ではフローニンゲン州のマスクラット捕獲人としての仕事をしています。
　ラジオノードで、フリーランサーのプレゼンテイターとして活躍していることも、付け加えられます。2004年にはTVノードに、多くの視聴を集めた「フィセリングス・フィシー」という自身のコラムを持っていました。いくつかの異なったバンドに属し、他のフローニンゲンのアーティスト達と一緒に演奏します。

彼の最初のフルニングス（フローニンゲン語/方言）のLP「ズンダハマールン」が既に1987年に、10年後に再びCDとして発売されます。その間にCD「フルムデ・フォーヘル」が、そして1999年には「ミーン・フェルホール」が出現。一つ一つの曲が、心を捉えるものでした。アレックスはその詞のあちこちで感じたままをストレートに表現していますが、私達は又、情感を込めて生活への愛を歌う、ロマンティストとも出会います。 　それらの全てを、彼は、幅広く力強い二重母音を持つフローニンゲンの言葉にします。とても表現に富み、教会で歌われる賛美歌などにきわめて良く合う言葉。それは又、子守唄や演劇の言葉にも適しています。

　アーレクスの心がそこにあるヴェスターヴォルデでは、フローニンゲンの他の場所の言葉とは異なるフルニングスが話されています。かつてヴェスターヴォルデの言葉のことを、その近隣の人達は‘子供っぽい’と言っていました。そう、フルナハーも又人の子（近所の悪口を言ったりします）に他なりません。
　
　彼が作詞作曲し歌った「デ・フロ－ンリプブリーク」がヒットし、それはいまだにRTVノードの毎年のリスト「Alle 50 Goud(すべての50のゴールド)」のトップ５に入っています。
彼の「ミーン・マハテヒ・ヴァット」も又、アーレクス・フィセリング＆ボント・テーヘン・ハリーズとして、トップ20に入っています。これは2002年にこのリストに.....
　
　彼が撮影した写真が公開されています。これらを見ても、彼がどんなに心から、又心を込めて作品を作っているかということが、分かります。自然への愛がそこからほとばしっています。それらが様々な展覧会で展示されたことも、不思議ではありません。展覧会を見に行かなかった人達のために、彼の素晴らしい作品を載せたウェッブサイトがあります。
　少し言いすぎでしょうか？ そうは思いません。アーレクス・フィセリングの全身がフローニンゲンであると、あなたも同意されることを確信しています。その驚くべき多くの‘隠された’美しさに。

インタビュー

　　
フルナハー。どこで生まれ育ったのですか？
私は1955年、ムセルカナールで生まれました。
　
ご両親は？
ヤン・フィセリングとイナ・クーヘル。
　
ご両親の職業は？
私達の家は靴店、靴屋でした。
　
ご自身の家族（お父さん、お母さん）、その仕事が、あなたの作詞のインスピレーションの源なのでしょうか？
その仕事自体はおそらくそうでないけれど、良き少年時代をおくり、教育を受けました。
　
いつ頃から歌い始め、最初の公演はいつ何処でですか？
私の最初の公演は、14，５歳の時、スタッツカナールのキリスト教青年クラブ、デ・ベゥネで。私の小さなバンド、マザー・オブ・パールと一緒にでした。
　
フルニングスのジャンルを意識的に選んだのですか？
そうであれば、その理由を手短に話してくれませんか？
私達はフォークグループ、ダーティ・リネンを結成していました。私達がフローニンゲンの詩を音楽にのせ始めた時、その名前はターフに変わりました。
　
フローニンゲンの詩？
ええ、ヤン・ハイケンスの詩集「クヌターヴァーク」。エディ・デ・ヨンゲ、パウル・スホルテンスと一緒に、10ほどの詩を音楽にのせました。
「ゾウ・ハーイト・ヤ・フォーク」と」「ダウ・デ・ホーヘルドールン・ブラウデ」が、ターフの最初のLPに入っていると思います。
　
ご自身が家でよく聞いている好きな曲は、どんなジャンルのものですか？
ギターでは、フィンガーピッキングの考案者で全てのギタリストの「母」、チェット・アトキンス。私にとっての英雄。彼はすべての偉大な‘地上の権力者達’に影響を及ぼしました。クノプラー、クラプトン..... 自分より上手く演奏する人みんな、とてもたくさんの良いギタリスト達。スタイルについて言えば、ジェリー・ドーナヒュー、トミー・エマニュエル等が傑出しています。
さらに、シンガーソングライター達。アメリカの。
ウィリー・ネルソン、ボブ・ディラン、ジョニー・キャッシュ、コルネーリス・フレースヴァイク。
　
フルニングスにはいくつかのバリエーションがあります。ホーヘラントでは、例えばヴェスターヴォルデとは異なった言葉が話されています。あなたは作品にどの言葉を使っているのですか？
フェーンコロニアル、ヴェスターヴォルデ、さらに私によく合ったものの混合。
　

スターリンとレーニンの名前が入ったリフレインのある「デ・フローンレプブリーク」がヒットしました。1892年に東フローニンゲンで起こった豊かな農場主達に対する労働者の蜂起を物語る、フランク・ヴェスターマンの同名の著書「デ・フラーンレプブリーク（穀物共和国）」からインスピレーションを得て、あなたはその詞を作りました。この地域でのコミュニストの台頭は、フィンスターヴォルデをその中心地とし、そこは長い間CPN（オランダ共産党）の本拠地であり続けることになるでしょう.....この本の中でそんなに興味をひいたものは何なのですか？あなたの個人的な理由としては、美しい詞を書き音楽にのせることで充分なのでしょうか？

私は歴史に、東欧の歴史にも、興味を持っています。社会の諸問題。‘豊かな農場主’と‘共産主義者達’。そしてもちろん、私はよくオルダムトに野鳥観察に行っています。
　
先の質問にもう少し留まって。時々権威に対して困難を感じ、不当をひどく嫌い、おべっかや空騒ぎを不愉快に思う、フルナハー。地にしっかりと足をつけ、周りの自然を愛する人。風が絶え間なく、果てのないように見える地に吹いています。アレックス、そうでしょう？これらの言葉の中に自身の性格を少し見い出しますか？
はい、私もそう感じます。
　
あなたはとても多才な方です。作詞作曲の傍ら、その他のことでも知られています。ＴＶノードで自身のコラムを持ち、ラジオノードでは日曜朝のとても人気のあるノールトマネンという番組を、オキー・スミットと一緒に司会されています。例えば、「協会フローニンゲンの風景」を通してフローニンゲンのための活動をされています。又、いくつかのバンド：ターフ（共同創設者）；ホリウッド・ホース・シット；2003年からの新しいバンド、フィッシャーマンズ・リング、の人として知られています。フォークからロックまで。フルニングス、オランダ語、英語。あなたのショーやツアーは成功しています。最後になりましたが大事なことは、あなたが、様々な場所でその作品が展示されている、才能ある写真家として知られているということです。あなたは自身をどのように定義されるのでしょうか？職業欄への記入は何と書かれるのでしょうか？あなたは選べます：作詞家、歌手、作曲家、ミュージシャン、エンターテイナー、司会者、著述家、プロモーター、自然保護者、写真家.....
放蕩者や風来坊というのもすてきだな。［フルナハーのジョーク？：トランキール］
　
全国的に知られるようになることについてはどうなのでしょうか？その努力をしていますか、それともプロヴィンスで仕事をすることの方が好きなのですか？
全国的な成功は必要ありません。私はラントスタット（オランダ西部の大都市圏）が嫌いです。そこへ運転していくことが嫌いだ、という意味です。
　
フルニングスのジャンルが全国的なものになることが、亡くなってからのエーデ・スタールを除いて、例えばリンブルフ語（ロウエン・ヘーゼ）、アハターフークス語（ノールマール）、フリースラント語（デ・カスト）.....　などに遅れをとっていることをどう考えますか？
みんなそう出来る、フローニングス以外は。私達のアクセントが間違っていると思われているのでしょう。もしかすると、あまりにも唯我独尊..... あるいは質が十分でない.....？
　
それは又、例えばバラードだけというように、特定のスタイルに定めないというところに理由があるのでしょうか？彼らがかつてあなたを、コルネーリス・フレースヴァイクと比較しようとした理由？
私はフレースヴァイクの３つの詞をフルニングスに訳しました。しかし、他の人を真似たりはしません。私はアーレクス・フィッサリング、...のクローンではありません。たちまち小さな箱に押し込められます［ピート・シガーの「リトル・ボクシィズ」から：トランキール］。私がフレースヴァイクの詞を歌えば、すぐさま誰かがやって来て、とてもよく似ている、声が同じだ、誰某以上だ、などなどとだべり始めます。
　
年にどのくらい公演されているのでしょうか？又国境を越えては？東フリースラントは？
予想以上ですよ。全てではなく、面白そうなものだけを受けます。1988年に、ＮＤＲ（東ドイツの放送局）のためにグレートシールで公演したことがあります。地方語で歌う歌手として、ドイツで観客を惹きつけるのは難しい。


あなたはフローニンゲンの自然を写真に撮ることも好んでされています。又、外国での自然探検にも参加されています。最近のことについて何か話してくださいますか？
最近では、私の仲間のベルツスとヨハンと一緒に、ポーランドへ旅行しました。私達は、北東ポーランドのビーブルザ保護区を探訪しました。野鳥観察、写真撮影、ウオツカ.....
　
日本にも行かれたことがありますか？　自然の旅の一つとして？ まだでしたら、行ってみたいと思いますか？
うん...行ってみたい。日本の鶴を探しに。それは私の大好きな鳥です。毎年、前の東ドイツのルーゲンに、鶴を見に行っています。私の大きな望みは、その中には日本の丹頂鶴も入っている14種全てを見ることです。
　

たくさんのことをされているのですが、それらと並んで、あなたはマスクラット捕獲人として、フローニンゲン州の仕事をされています。ここに多くのマスクラットがいるのですか、どのくらい有害なのでしょうか？どのように捜しだし、どのように捕まえるのでしょう？ 私達の州で、年に3万から4万5千匹を捕獲しています。特に春と秋の移動期に。わなや浮いた捕獲かごを配置します。マスクラットは堤防や傾斜地の下を掘ります。これは特に、高水位の時や激しいにわか雨が降った時、致命的になりかねない被害の原因となります。オランダはその大部分がNAP（標準アムステルダム平均海面）より低い.....
一匹のネズミが年に４㎡の砂を移動させることが出来ます。 オランダ政府は19…年に 、法律、マスクラット法を可決しました。そこからこの費用の負担も。

ベルギーでそれは、私達の知るかぎり、水ウサギとしてメニューに載っています。食べたことがありますか？
うーん、玉子焼きの方がいい。
　
それは季節的な仕事なのですか？
いや、一年中の仕事です。移動の季節は特別に忙しい。夏はわなで捕まえ、報告を取り扱います。冬は新しい用具を作ったり、修繕したりします。
　
マスクラットについて書いた歌はまだないのですか？
うん、「ロッデファンガースブルース（ネズミ捕りのブルース）」。CDとDVDの「ストゥッキー・ファン・ミーズルフ」に入っています。
　
アーティストであることに戻って。我らがフローニンゲンのアーティスト達が、州のプロモートに貢献出来ると思いますか？　例えば、日本に行く通商使節団への参加し、そこで演奏することを求められたとしたら、すてきだと思いますか？
はい、特にフローニンゲンの風景を歌うことで。私はそのような歌手と見られていますから。風景や鳥達、より深い思いを歌う風景歌手.....
日本で演奏し、そこで日本のソングライターと歌の話をするのは、すてきだと思います。
　
最後に、フローニンゲン州を10語で表現してくださいと尋ねたら、あなたはどう答えるのでしょうか？
10語はフルナハーには多すぎます。「私にとって最も美しい土地」

写真はすべて、アレックス・フィセリングのコレクションから使わせていただきました。 　 　 アレックス・フィセリングのサイトへもどうぞ。 www.alexvissering.nl

© 2007 Trankiel