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「われわれは今後とも独自の技術開発を進め
地球と共生できる製品をつくっていきたい
と考えております。」
(協和化学工業株式会社
代表取締役社長 松島 慶三)
素晴らしい眺望の東フローニンゲンには、かつてここが広々とした泥炭地帯であったことを思い出させる多くのものが、まだ残っています。それは広大な湿地帯ブルタンゲル・モーアに、海面が上昇し地下水位が非常に高くなると共に平均気温もとても上昇した、完新世のアトランティック期に発生しました。
この自然の力によって作られた泥炭は、1600年から農耕のために採掘されます。それはいわゆるフローニンゲンのフェーンコロニー(泥炭地帯の集落)の始まりの年です。煉瓦型に切り出された泥炭は採掘場で乾かされてから、truf (ツルフ) という名前で燃料として売られます。
泥炭が生れる優に2億年前、既にこの地域の地下には塩化マグネシウムを含んだ塩層が形成されていました。この原料とその採掘の存在が、1997年キスマケミカルズの設立場所としてフェーンダムが選ばれたことの、重要な要因であったことは疑いありません。香川県の協和化学工業株式会社の全くの子会社として設立されました。
1999年7月2日に行われた公式オープニングには、日本代表として池田在オランダ日本大使、フローニンゲン州知事のアルダー氏、フェーンダム市長のフォス氏、国内外の企業や公共機関からの代表者たちがたくさん集まりました。
その開設祝賀の4年後の2002年10月1日、マグネシウム化合物のため工場を40%拡張することが決定されます。その後も売り上げは伸び続け、2005年に再び生産能力を拡大するという状況です。そして、その発展はまだ終わってはいません。今年末と来年にもう一度生産の拡大が計画されています。その拡張が完成すれば年間生産約30,000トンとなり、いわゆる合成ハイドロタルサイトの生産で世界最大となります。それは主としてPVC(塩化ビニル樹脂)用熱安定剤として鉛の代わりに使われます。
キスマ・ケミカルズは北部オランダで最も急速な発展を遂げている企業の一つで、2005年には威信あるトップ・ハーゼレ賞を得ています。
親会社の協和化学工業株式会社は、マグネシウムとアルミニウムに基づいたファインケミカルを生産し、特に医薬用途や樹脂生産などの工業用途に供給している企業で、繁栄を続けるキスマ・ケミカルズは外国に設立した唯一の会社です。
1947年に協和化学工業所として、製薬用の酸化マグネシウムを生産するため設立され、5年後に現在の名前になり、その時から成功に継ぐ成功を重ねています。例えば1970年には合成ハイドロタルサイトの製造販売を世界で初めて開始しています。
「独自の技術による独自の製品開発」というモットーで、協和化学工業とキスマ・ケミカルズは無機化学工業の分野で特別な地位を得ています。樹脂用添加剤など各種用途へのマグネシウム化合物の使用は、健康で安全な生活環境への貢献となることでしょう。
協和化学工業の松島慶三社長は、「地球と共生」と表現します。キスマケミカルズのサイトには更に次のように書かれています。
「私たちは、私たちの活動が地球環境保護に貢献できるよう、以下の基本理念に従います。
1. 環境保護を意識した製品の開発生産
2. 私たちの経済活動に関わる環境への影響を減少
3. 地球環境問題を認識し、そのための行動が出来る人材の確保」
フェーンダムという名前が最初に現れたのは1655年の文書で、泥炭業者で構成されていた最初の居住者たちが、堰の近くの南方に定住したことが書かれています。泥炭化の過程は他の泥炭地と変わりはなかったのですが、その町では泥炭地帯に特徴的な帯状の市街地は発達しませんでした。その理由は、フェーンダムに古くから流れているムンテ川の両側に、二つの運河ヴェスターディープとオースターディープが掘られたからです。ムンテ川の古い水路は、今なお、その地区にあるシンゲル(並木道)や町のあちこちに造られた池に、見ることが出来ます。
ミュージアム広場にフェーンコロニアル博物館があります。東フローニンゲンの歴史に関心を持つ人は、泥炭地の発展やブルタンゲル・モーアについて、ここで知ることができます。それからそこで、先史時代の人たち、泥炭採掘人たち、運河を航行していた船長たち、黄ボール紙工場の労働者たち、船乗りたちなどと、会うことも出来ます。
ボルハーコンパニーは同じ自治体に属している、泥炭地帯の帯状集落の村です。そこには1655年に建てられたフェーンボルフ(泥炭邸宅)ヴェルヘーレンがあります。
キスマ・ケミカルズに原料を供給しているネドマグ鉱工業は、この村の中に設立されています。既に25年間マグネシウムを含む塩を溶解採鉱の特別な方法で採取しています。それは一度地中から引き上げられ、ドロマイトと一緒に、燃え盛る酸化マグネシウムと塩化カルシウムに加工されます。
ここにある塩層は1,500mの深さにあり、何百年も続けて供給できるほど途方もなく大きなものです。
>>Kisuma Chemicals BV
>>協和化学工業株式会社
© 2008 Trankiel
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