Trankiel  Groningen - Japan
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 ようこそ むかし へ オランダ の 日本人 フローニンゲン と 日本 文化のちがい 日本 フローニンゲン  
 
 
 
期待いっぱいの日本選手
 
    Run Winschoten 2011 の直前に12名の日本選手に質問する機会を得、それぞれがとても気持ち良く答えてくれました。それらの答は、現実感覚に基づき、かつ楽観的なものです。これら長距離の巨人たちは、どれほど自らの可能性を信じていても、競争相手との厳しい戦いになることは良く知っています。又例えば、100km戦当日の「その日のコンディション」や天候のような、捉え難いけれど重要である要素が挙げられます。そんなに暖かくない晴れの日を好む選手がいる一方で、気温が低めの曇り空を好む選手もいます。

 全ての選手に同じ質問をしたので、繰り返しにならないよう編集して紹介します。
 
 
 
原 良和(39歳、兵庫) ゼッケン102
 
 原選手がウルトラマラソンを始めたのは1年半前からで、トレーニングは1日に2~3時間です。食事パターンなど特別な生活スタイルが必要ですかという問いには、「通常のマラソントレーニングと同じと考えています。」
 彼自身はスポーツチームには属さず、自分のやり方でやってきました。そして、「子供の遊び相手をする程度で、他のことをする時間はあまりありません。」とつけ加えます。
 Run Winschoten に参加するため、初めてオランダにやって来ますが、100kmは5回目で、これまでのベストタイムは6時間41分です。
 特に「男子団体は優勝出来ると思います。」と話し、そのチャンスを「確率80%?」と見ています。そして「個人成績と団体成績、両方とも同じくらい重要です。」と強調します。
 又「酷暑の日本と涼しいオランダの気候の違いが大きそうなので、対応できるかどうか」という不安も語ります。
 「最後にここの人たちに何か」との問いには、「日本は元気です。いや、これからもっと元気になります。」という言葉が返ってきました。
 
 
 
 原 良和 選手  高橋 雅一 選手
 
 
高橋 雅一(37歳、東京) ゼッケン103
 
 彼は2007年のサロマ湖100kmからウルトラマラソンに関わり、トレーニングは1日2時間半ぐらいです。「ほぼ毎日練習する必要はありますが、その他の特別なライフスタイルはありません。」と話す高橋選手は、自分で行うトレーニングの傍ら、チームカイロスというランニングの同好チームに所属しています。
 「自由時間には何をしていますか?」という問いには「幸い練習時間以外は比較的自由に使えるので、読書などをよくしています。」と答えます。
 これまでにウルトラマラソンに9回参加、ベストの個人記録は2008年サロマ湖での6時間42分05秒です。
 彼がオランダに来るのは今回の Winschoten が初めてですが、「とても快く迎えられ、快適に過ごせています。」と話します。
 日本選手たちがどんなに素晴らしいファイティング精神に溢れているかは、彼が勝利の可能性を言う中で再び明らかになります。「優勝の可能性はかなり高いと思っていますし、優勝すると信じています。」そして「チーム成績は一人だけではどうにもならずメンバーの協力が不可欠なので、国を代表する上で非常に尊いもの」と話します。
 又ここの人たちへは、「日本チームは今年も活躍しますので、応援よろしくお願いします。」
 
 
高田 由基(28歳、北海道) ゼッケン104
 
 彼が最初に100kmウルトラマラソンに関わったのは2006年6月で、平日は1時間程度、休日は2~3時間程度のトレーニングをしています。仕事と練習の時間のやりくりが必要なこと以外に特別な生活スタイルはなく、チームには属さず、個人で練習しています。趣味など他のことをする時間は、あまりありません。
 2011年には既に、ハーフマラソン4回、フルマラソン1回と、6時間57分の素晴らしいタイムで第6位を獲得したサロマ湖100kmウルトラマラソンを6月に経験しています。
 Run Winschoten に参加するのは、これが初めてではなく、4年前にも日本チームの一員として参加しています。
 個人成績に関しては「自分の力を発揮できれば、結果はついてくると思います。入賞を目指して走ります。」 団体成績に関しては「日本の層の厚さを示すことができる場だと思います。そんな日本チームの団体優勝に貢献できるタイム・順位で走りたいです。」と話します。
 「何か付け加えたいと思われることは?」という問いには、「日本で小学校の教員をしています。応援してくれる子供たちに良い報告が出来るよう頑張ります。楽しみます。」
 そして高田選手がここの人たちに伝えたいことは、「前回(2007年)に Winschoten を走った時、人々の温かさを感じました。また来られたことを嬉しく思います。たくさんの応援をお願いします。」
 
 
   
 高田 由基 選手  中台 慎二 選手
 
 
中台 慎二(33歳、東京) ゼッケン105
 
 30歳になってからウルトラマラソンを始めた中台選手は、注目すべき方法でトレーニングを行っています。通勤の片道10kmを50分で走り、更に昼休みの25分を使った、合計2時間ぐらいが1日の練習時間です。これについて彼自身、「特に精神的に無理のないように、日常生活の中で、自然と練習できるようにしています。」と話します。彼は又、高タンパクな食事と野菜を取ることを心がけています。
 多くのウルトラランナーたちが個人主義であるに対し、中台選手は二つのクラブに所属しています。一つは会社のクラブで、健康ジョギングの人など多様なレベルの人がいます。もう一つは市民向けランニングクラブで、ここではペーサーやコーチとして携わっています。そしてそれにすぐ「ただ、自分の競技のための練習は個人で行っています。」と彼はつけ加えます。
 忙しい生活にも拘らず、興味を持つ他のことをする時間もあります。今はまだデッサンですが、月に2回絵を描いています。又歴史関連の読書も好きで、例えば彼は今、『十字軍物語』と『小説フランス革命』という本を読んでいます。
 
 中台選手は100kmウルトラマラソンをこれまでに6回走り、昨年ジブラルタルで開催された世界選手権では優勝に輝きました。これを彼は「おかげさまで」と話します。以前の世界選手権でベルギーへ、仕事で他のヨーロッパの国には行きますが、オランダに来るのは初めてです。
 個人成績については、次のように話します。「ジブラルタルでの世界選手権で優勝出来るとは全く思っていませんでした。今年は昨年の実績のために、私を優勝候補と考える方もいるかと思いますが、やはり勝てるとは思っていません。イタリアの Giorgio Calcaterra 選手や原選手が優勝候補だと思います。ですが、ウルトラは後半何が起きるか分かりません。積極的なペースを維持しつつ、自分の取り柄である冷静で安定した走りが出来れば、レース展開次第では、また勝てることもあるかとは思います。」
 中台選手は又、団体成績の方を重視します。「去年の私の目標も、団体で日本チームに貢献することでした。」そしてそのレースで起こったことを説明し、「国内4番目の選手であった私は、国内3番目までの選手がリスクを取って先頭集団で攻められるように、先頭集団を見守るように、第2集団で控えていました。レースが後半になって、前の日本選手のペースが落ちると、自分が代わりに前に行きました。結果として、他国のどの選手よりも前にいました。個人優勝の結果は、そのようにして後からついてきました。今回も基本的には、そのような走りをするつもりです。」
 
 「何か個人的につけ加えたいことは?」という問いに、全く躊躇うことなく、次のように語ります。
 「私たちの国は3月の大地震で甚大な被害を受けました。今まだ原子力発電の事故により危機の中にいます。ですが、いくら悲しくとも、私たち日本は止まらず、前を向いて走り続けます。
 日本は、世界中の方々から支援・声援を受けました。それに応えられるよう、元気な日本を見せるような走りをしたいと思います。」
 
 中台選手の言葉に打たれ、最後の質問を尋ねます。「Winschoten の人たちに、何か」
 「大会と選手の受け入れ、そしてサポートや運営にとても感謝しています。ご迷惑をおかけすることもあるかと思いますが、日本選手の応援、よろしくお願いします。」
 
 
 
 井上 真悟 選手 伊藤 健一 選手
 
 
井上 真悟(30歳、東京) ゼッケン106
 
 8年前、2003年6月にウルトラマラソンに初めて参加し、今回の日本チームの中でウルトラマラソンに一番長く関わっています。そして1日約3時間をトレーニングにあて、Run Winschoten に向けての準備をしました。井上選手自身が語ります。「今回は真夏でのトレーニングでしたので、夏バテ予防に大豆製品(豆腐、納豆、味噌など)、辛い薬味(ミョウガ、ラー油、キムチなど)、クエン酸(オレンジジュース、その他サプリ)を特に意識した食生活を心掛けました。」
 チームには属さず、精神的に張り詰めないよう、意識して適度にプライベートの時間も持つようにしています。
 過去8年間で、およそ50のレースに参加しており、その内ウルトラマラソンは20回ほどです。昨年フランスの Brive-la-Gaillardeで開催された24時間走ワールドチャレンジで優勝したのが最良の成績で、その273.708km で、關家良一が持っていたロード・アジア記録を破りました。
 Run Winschoten に参加するのは今回が初めてで、優勝のチャンスについての問いには次のように答えます。「ウルトラマラソンは最後まで何が起こるか分からないので、僕を含めた全てのランナーに優勝の可能性はあると思います。どの国の選手も、自国ではウルトラマラソンを牽引する存在だと思うので、今大会でのチーム成績は、各国のスポーツ文化の中でのウルトラマラソンに対する熱意や成熟度を示す、とても意義のあるものだと思います。」
 井上選手にも最後の質問。「何か、当地の人たちへ?」
「レースが皆さんにとって刺激的で素晴らしいものになることを願っています。」
 
>>井上 真悟さんのブログ
 
 
伊藤 健一(38歳、大阪) ゼッケン107
 
 ウルトラマラソンの大会に最初に参加したのは2006年4月で、トレーニングは1日2時間程度です。食事パターンなどの生活スタイルに特別なことはなく、「食事も好きなものを食べています。」と話します。
 チームなどに所属するのは好きではないので、基本的に個人で活動しています。
 トレーニング以外の事をする時間はあまりないのですが、年に2回、夏と冬に自転車旅行をします。
 「これまで何回走ったかは数えていないので、分かりません。」という答からも、彼の生活が特にランニングで成り立っていることが分かります。そして続けて「しかし、毎年出ている競技会が二つあります。一つは和歌山県の那智勝浦町で開催される 奥熊野いだ天ウルトラマラソン で、もう一つは今回の予選になる北海道湧別町、佐呂間町、北見市の サロマ湖100キロウルトラマラソン です。今年はどちらとも、自己ベストを更新しました。」と話します。
 「オランダは初めてですか?」という問いに、「オランダはもちろん、日本から出たことはありません。」と答え、目配せしてつけ加えます。「オランダの食事は、かなり不味いと聞きました。日本食のレストランもあるけれど、間違っても行かない方がいいと友達から忠告されたり、日本から食べ物を持って行くことを勧められたりもしました。」
 この種のからかいが世界中にあることが分かります。日本にも!
 世界選手権について話す時、彼の語調はより真剣なものに戻ります。「この時期日本はまだとても暑いのですが、私は気温が高いところで走るのは苦手です。レース当日10度から15度くらいになれば、少しはチャンスがあるかもしれません。」
 「チームの成績ですか?こう言うとコーチ陣に怒られますが、あまり気にしていません。」
 今回このレースに参加することが出来たのは、職場の上司や仲間のおかげ、と彼は話します。「今年の9月は会社が最も忙しくなる予定だったので、ここに来るのは難しいと思っていました。しかし、事務局から参加の要請があったことを上司や仲間に伝えたところ、全員が『仕事は何とかするから、行って来い。』と言ってくれました。あらためて、本当にいい仲間や上司がいる会社で働いていることを実感しました。」
 「ここの人たちに何か?」という最後の質問です。食事の話に戻り、笑いながら、「オランダの食事を試してみるのが楽しみです。まずさを倍増させるために、日本で美味しいものをいっぱい食べてオランダへ向かいます。」
 
 
 
>>日本の女子選手へのインタビュー
 
>>写真のページⅠ写真のページⅡ
 
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