Trankiel  Groningen - Japan
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フローニンゲンのニューヴォルダで、芸者と扇

イヴォンヌ・ストラウス教室生7名の作品展
 
 造形作家 Yvonne Struys(イヴォンヌ・ストラウス)の教室の生徒たちは半年間、俳句、芸者、着物の世界にインスピレーションを得て制作しました。これが今、村のコミュニティセンター「Trefpunt(トレフプント)」と、その向かいの、もう長い間イヴォンヌのアトリエとなっている元「Samen op weg 教会」での展覧会に結実しました。イヴォンヌの日本文化への関心は、自身の作品の中に表現されるだけでなく、彼女は「見かけのようでない」国を訪れ、驚きと同時に魅了されました。
 ヴィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、日本、その版画、浮世絵について、幸せな楽しい気持ちになったと書きました。彼は弟のテオへの手紙に、よくこの芸術形式のことを書いています。どのようにそれを調べ、その国について読んだか。 ますます日本の芸術家の目で浮世絵を見る気持ちにさえなり始めていることも。日本について読んだ多くの本の中で、ファン・ゴッホは特に、1887年にフランス人のピエール・ロティによって書かれた『お菊さん』を賞賛しています。
 これは、200年間鎖国していた日本が西洋と唯一コンタクトしていた出島のオランダ商館が閉じられた後の物語です。葛飾北斎(1760-1849)が世界的に有名な版画を制作したのは、その鎖国の時代でした。
 
葛飾北斎『諸国滝廻り』- 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ滝 
 

 
 ニューヴォルダでの展覧会のオープニング・スピーチを、Trankiel 日本語担当 の浦 真弓が行いました。
 その中で、西洋文化への日本の影響、19世紀の終わりから20世紀初めの、いわゆるジャポニスムにも触れます。それから聞き手を自身の国に誘い、日本がとても変化したことを話します。西洋化!しかし日本人の意識下には、今なお古い文化が存在し続けていると思っている、と。日本人であることで、ここの人たちとの違いがあるけれど、そこからお互いに学び合えると信じていること。自身もオランダの文化を理解するため、ベストを尽くしていること。それに加えて、このことが又、イヴォンヌ・ストラウスの日本の文化への関心をとても評価している理由であると話します。その関心を造形作家として自身の創作の中に表現するだけでなく、生徒たちにも伝え、このような展覧会が開かれることを、とても嬉しく思う、と。
 
 イヴォンヌが会場を案内し、ここに展示されている作品がどのようにして生まれたか説明してくれます。
 7名の生徒たちが、このテーマで日本の感性を学んだこと。最初は貝から始めたこと。
 その目的は、貝の形がどのように構成されているか、よく見ることでした。まず鉛筆で貝を写実的に描き、その後チョークで拡大します。次に、貝のグラフィックデザインをインクで描き、暗色と明色の背景色の小さな静物画を、油絵の具で制作します。
 それから、貝の図案の型紙を作ります。ここで大事なことは、これがぴったりくっついて全体が形成されること、すなわち上下左右が互いに合わさることで、これが扇のデザインに用いられます。
 イヴォンヌは、扇の歴史、芸者、禅仏教、俳句、こうぞ和紙についての幅広い情報を生徒たちに与え、課題をいくつか指示しました。「扇の言葉」のポートレイト、一つの俳句の静謐な絵、芸者のコラージュ ... の作成。


写真上:
André Eijkenaar ©
 
 生徒たちは既に8年間イヴォンヌ・ストラウスのところで学んでおり、この展覧会を5ヶ月余りかけ準備しました。それらの課題が見事に達成されている、とはっきり言うことが出来ます。生徒たちは誰も日本に行ったことはないのですが、作品に日本の雰囲気を与えることに成功し、素晴らしい展覧会になっています。
 それが、今日ニューヴォルダの展覧会にやって来た多くの人たちの意見です。イヴォンヌはこの成功を喜び、生徒たちにとって特別に素晴らしいこと、と話します。生徒たちはただ作品の制作だけでなく、すべてを準備しました。訪問客に応対するだけでなく、招待状の発送、プレスレリース、展示の配置なども、彼女たちが行いました。
 イヴォンヌは、自身の日本文化への関心から選んだテーマによる、この展覧会の成功に、とても喜んでいます。「ご存知のように、私は日本にインスピレーションを見出しています。それは私の作品の中に、こうぞ和紙を使った版画や、きものの造形アートの中に見ることが出来ます。」
 
 
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Yvonne Struys のサイト(オランダ語)
 
 
 
*オープニング・スピーチの写真:André Eijkenaar ©
 
 
 



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